障害を持つ子の親は、自分の死後、子供の生活はどうなるのか、子供を守ってあげられるのかという心配や不安が頭から離れないのではないでしょうか。夫婦二人三脚で障害を抱える子の生活を支えてきたが、自分達が高齢になって面倒をみることが出来ない、もしも自分たちが先に死んでしまったらその子の生活はどうなってしまうのかなどと考えるのは当然のことです。

家族信託の中には「親亡き後問題」の支援という活用方法があります。「親なき後問題」とは、親の死後や、親が病気やケガなどで子の面倒を見ることができないなど、子が残されたときに考えられる様々な問題のことを言います。

万が一に備えた一般的な対策として遺言書が挙げられます。自分の死後の問題に関して、通常であれば遺言を利用して子のために財産を承継し、生活の支援に役立ててもらう方法が良いのですが、障害を抱える子の場合、財産を継承してもその子が財産管理を行うということは非常に難しいでしょう。

障害を持つ子の生活を支えてきた高齢の親は、自分の死後、子の生活が今まで通りに維持され、かつ財産を守ることを目的とした制度の充実を願います。このような「親亡き後問題」に備え家族信託を活用することで、信頼できる親族に財産を託し、障害を抱える子に必要な生活費等を定期的に給付させることができるようになります。また、自分の死後も引き続き障害を抱える子の生活支援に投資できるようになりますので、第三者からの財産侵害を防止することも可能となります。障害や持病のあるお子様をお持ちのご両親にとって、自分たちに万が一の事があった場合の備えは非常に大切なことです。ご自身が健康なうちからしっかりとした計画性を持ち、早めの対策をとれるかどうかが重要なポイントとなります。

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