家族信託での受託者の報酬について
商亊信託と異なり家族信託の場合、受託者は利益を目的とせず信託を行います。
しかし信託財産を管理・運用することは、そこから利益を得ない受託者にとっては負担だけがのしかかる結果になりかねません。さらに委託者としても信頼する受託者に対してそのようなことをお願いするのは申し訳ないと思われるかもしれません。そのため、家族信託を検討する委託者から受託者に対して信託事務の対価として報酬を支払うことは出来るのかというご質問をいただきます。
こちらのページでは、家族信託における受託者の報酬についてお伝えいたします。
受託者に報酬を支払うことはできる
結論から申し上げますと、受託者に対し報酬の支払いをすることは特に問題ありません。
前述の通り商亊信託のように利益追求を目的としない家族信託では理念上は報酬を貰わないことになります。しかし、現実に照らし合わせると受託者に膨大な作業の負担や責任を背負わせることになる家族信託を受託者の無償の善意のみで成り立つとすると、信託契約自体が結べなくなってしまう可能性があります。
もちろん前提として受託者が不特定多数の委託者の財産管理を行い、営利目的で信託財産を管理してない一般人である必要があります。受託者が法人である場合、税理士や司法書士などの法律の専門家である場合、「受託者」となることは認められています。しかし受託者としての立場で報酬を受け取ることは出来ません。
受託者への報酬の額は信託契約にて定めることが出来ますので、受託者と事前に確認しておくことを推奨します。