介護施設で活用する家族信託
様々な分野での活用が期待される家族信託ですが、このページでは介護施設における家族信託の活用方法をお伝えしていきます。ぜひご参考になさってください。
介護施設と家族信託
家族信託を介護業界に取り入れることで、利用されているお客様の財産に関する心配事を解消することができるかもしれません。
(例)
介護施設に入居を検討しているお客様が、不動産を所有しており、自分の入居後その管理について不安を感じている。
⇒家族信託を利用し、ご家族に信託することで不安を解消することができる。
また、介護事業者側としても導入するメリットがあります。もし、入居者が認知症になってしまった場合、家族信託においてご家族が管理できるようにしておけば、施設の利用費延滞や未払いの問題を回避することができます。
このように施設独自のサービスとして家族信託を取り入れることで、同業他社との差別化になりますし、入居者にとってもワンストップでサービスを提供してもらえるメリットがあります。
介護施設に関係するご質問例
Q:施設に入居する母のことで悩んでいます
今年80歳になる父は現在一人暮らしをしていますが、身体が思うように動かなくなり不安を感じているようなので、施設の入居を検討しはじめました。私は一人娘で母は3年前に亡くなっています。私は結婚して子供たちと遠方に住んでいるため、父と一緒に住んでサポートすることは難しい状況です。幸い、父は代々受け継いだ不動産などの資産があるため、施設の利用料などもろもろ必要になる資金には困っていません。今は大丈夫ですが、将来認知症になる可能性を考えると、不動産や資産の名義は全て父の名前になっておりますのでその点も非常に心配しています。仮に私の資産から一時的に建て替えるとしても、全く費用が足りず現実的ではありません。このような場合、今からできる対策はあるのでしょうか。
A:家族信託の活用により、認知症の対策をする事ができます。
今のまま施設に入居されますと、万が一お父様が認知症になってしまった場合、施設へ支払う介護費が未払いになってしまうことが考えられます。また、所有されている財産のほとんどが不動産であった場合、日頃から管理が必要となるうえ、売却するにしても名義人の同意なしに進めることはできません。
このような事態に陥らないために、事前に家族信託を活用し、不動産やその他財産の管理・売却を行う権利をご自身が持つことで、万が一お父様が認知症になられてもすぐに対応することが可能です。現金も信託財産として認められていますので、ご相談者様が心配しておられる施設費についても、未払いが発生しないようお父様とご相談しながら契約内容を決めることで解決できます。