不動産が共有名義である場合の家族信託活用事例
相談事例…相談者 Aさん
《家族構成》
- 夫:他界
- 妻:(A)
- 長男:(B)
- 長女:(C)
- 相続財産:賃貸アパート
Aさんはご主人が亡くなって、相続財産として賃貸アパートを相続しました。建物の名義はAさん、土地は長男(Bさん)と長女(Cさん)の共有名義としましたが、将来、子供達が共有名義で土地を所有することに不安があるので、賃貸アパートの法人化も視野に入れているとのことです。
家族信託を活用する
不動産を法人へ譲渡するのも一つの手ではありますが、この場合、譲渡所得税や登録免許税などの税金が発生するので注意が必要です。このような場合、家族信託を活用し、共有名義のまま不安なく管理できるようにします。
- 委託者かつ受益者:AさんBさんCさん
- 受託者:新規で法人設立した会社
Aさんが亡くなった場合、第二受益者として、BさんCさんに引き継ぐように設定し、もしもの場合は不動産を売却、現金化してBさんとCさんに分配できるようにします。所有している不動産が共有名義である場合、その管理は共有名義人全員の同意が必要となりますので、誰か一人でも認知症等となって不動産の管理が困難となることを避けるためにも家族信託で対策します。家族信託で契約することで一人に不動産の名義を課すことなく、その後の管理を継続することが可能となります。