信託目的とは
信託目的とは家族信託を行う上で、委託者が達成、実現したい目標や目的のことを指します。委託者より信託財産を任される受託者は信託目的にそって財産の管理や運営、処分の判断を行うことになります。つまり信託目的とは受託者の行動の根拠・指針となる重要な項目です。
信託という言葉より資産運用やそれに伴う利益の発生を目的として想定されると思いますが、家族信託では、それ以外にも様々な目的をもって活用されています。例えば、下記のような信託目的が設定されています。
【信託目的の一例】
- 老後の安定のため
- 遺産承継を円満に行うため
- 自分の死後、障害を持つ子供の生活を維持するため
- ペットより先に自分が亡くなってしまった時のため
- 先祖より引き継いできた土地を、直系卑属に引き継いでもらいたい
- 認知症の配偶者が将来的に生活に困らないように
- 資産を有効活用するために
- 円滑に事業承継を進めるため
信託目的によってそれを達成するための手段も変わってきます。受託者を誰にお願いするかということや、信託財産を何にするのかも非常に大切なことではあります。しかし家族信託をはじめるにあたり、まずは指針となる信託目的を明確に定めると良いでしょう。信託目的を決定したうえで、それを受託者と共有、理解してもらうことが重要です。